6Gとは、今後導入が見込まれている通信技術です。すでに国や民間企業は6G実現のための研究に取りかかっており、実現した場合のシステムの利用シーンや、実現のために必要な技術、解決すべき課題などをまとめたホワイトペーパーが公開されています。
この記事では、6Gの通信技術の概要や、実用化に向けた課題などを解説します。
6G通信とは、第6世代移動通信システムを指す言葉です。今後導入が見込まれている次世代の情報通信設備(インフラ)で、産業や社会活動の基盤となることが見込まれています※1。
5Gの高速・大容量、低遅延、多数同時接続などがさらに進化することに加えて、「超低消費電力」「通信カバレッジの拡張性」「自律性」「超安全・信頼性」など新機能の実現が期待されています。
						総務省は「Beyond 5G」という位置づけをして実現への推進戦略を進めている段階です。
また、民間企業でも同様の動きが見られており、KDDIグループのKDDI総合研究所では2030年頃に向けて実用化を目指すBeyond 5G/6Gに関する技術の研究を行っています。
					移動通信システムは1Gから6Gまであり、次の表のような進化を遂げています※2※3。
| 概要 | |
|---|---|
| 1G | 1979年頃~第1世代移動通信システム | 
| アナログ変調方式を用いた音声通話サービスが登場 | |
| 2G | 1993年頃~第2世代移動通信システム | 
| デジタル通信方式を用いたサービスが開始し、パケット通信により、SMSやメールの利用が可能となる | |
| 3G | 2001年頃~第3世代移動通信システム | 
| 通信の高速大容量化に伴い、インターネットの普及、カメラや音楽の再生など、携帯電話の多機能化が進む | |
| 4G | 2010年頃~第4世代移動通信システム | 
| 携帯電話からスマホへの移行が進む 通信速度が大きく向上したことで、スマホでの快適な動画視聴が可能になる  | 
								|
| 5G | 2020年頃~第5世代移動通信システム | 
| 超高速化・大容量化が進み、超低遅延が改善 端末の多数同時接続が可能になり、IoTが拡大する  | 
								|
| 6G | 2030年頃に実用化が見込まれる第6世代移動通信システム | 
| 5Gの機能高度化のほか、超低消費電力化、通信カバレッジの拡大などが期待される | 
6G通信の開発背景には、通信ニーズの拡大をはじめ、多様化する社会や産業のニーズへの対応があります。6Gには、未来の社会インフラとしての役割が期待されています。
モノをインターネット回線に接続するIoTや自動運転、VRゴーグルによるメタバース(仮想空間)、スマートシティなどの技術の進化により、将来的にはより高速で大容量、かつ低遅延な通信環境が必要です。
また、持続的に成長し、安心して活動できる社会を実現するためには、通信技術の電力消費やコストを抑え、セキュリティを万全に整えることが求められます。
つまり、さまざまな社会課題の解決や活力ある社会の実現を目指すために、5Gを超える6G通信の開発が必須です。
6G通信の実用化は、今後導入が見込まれています。
現在は、各国が研究開発を進める段階にあり、日本では総務省や研究機関、民間企業、大学などが中心となって国際標準の策定を見据えた技術開発に取り組んでいます。
					6Gでできることの一例を紹介します。
ただし、本記事の内容は2025年3月時点の情報に基づいて作成しているため、実際の6Gと異なる可能性があります。それぞれ順番に解説します。
6Gが実現すれば、可能性のひとつとして、mind-to-mind通信ができるようになるかもしれません。
mind-to-mind通信とは、人の身体能力や知覚、認知能力をセンサーで収集し、人の動きをサイバー空間から別の場所にいる人に伝えたり、テレパシーのように言葉や身ぶりを用いずに伝えられたりする通信を指します。
mind-to-mind通信が実現すれば、他者とコミュニケーションをとる際に、母国語や文化的背景の違い、身体的な特徴や物理的な距離などに制約を受けずに交流できるようになります。その結果、参加できなかったコミュニティへのハードルが解消され、相互理解や共感が深まる社会を目指すことが可能です。
6Gが実現すれば、サイバー空間を通じて質感や肌触り、味覚、ニオイなどの五感をARやVRで実現できる可能性があります。
KDDI株式会社と株式会社KDDI総合研究所が2021年に発表した「Beyond 5G/6G ホワイトペーパー ver.2.0.1」※4によると、フィジカル空間での触感をサイバー空間における遠隔コミュニケーションの際に相手に再現できるとされています。
たとえば、イベント会場のホログラムを自宅に再現して、自宅に居ながらイベントの音や熱気を感じることができたり、介護ロボットを通じて遠隔地の祖父母の感触や感情を共有できたりします。
6Gでは、全地球規模で膨大なデータを収集・分析することで、確度の高い未来予測が可能になると期待されています。
たとえば、気象や海流などのデータをもとに、半年~1年後の農水産物の収穫高を予測し、不足は見込まれる地域に対して事前に対処することが可能です。
また、確度の高い未来予測により、事故や機器の故障といった想定外の事態を未然に防ぐことができれば、自動車の自動運転の安全性向上につながると考えられています。
6G通信は、理論上最大で100Gbps以上という超高速通信を目指して開発が進められています。
5Gと比較して約10倍の速度に相当し、膨大なデータをリアルタイムでやり取りすることが可能です。
通信速度の高速化により、8K・16Kといった高精細映像のストリーミングや、リアルなメタバース空間の構築などが現実的になります。
さらに、遠隔地にいる人物の3Dホログラム映像を映し出して、目の前で話しているかのようなコミュニケーションツールが実現する可能性もあり、実現すればさまざまな分野に大きな影響を与える技術です。
					6Gの実用化に向けた課題を順番に解説します。
6Gではフィジカル空間をそのままサイバー空間に再現することを目標としており、実現するためには現在の無線や光通信よりも、高速大容量で、なおかつ小型低消費電力化の実現が求められています。
総務省Beyond 5G推進戦略では、5Gの10倍から100倍の超高速・大容量、および100分の1の超低消費電力を目標としており、実現のためにはミリ波帯やSub THz波帯といった高周波数帯の活用や、性能が向上したアンテナ技術やパワーアンプ技術などが必要です。
6Gでは、モバイルネットワークのみならず、複数のネットワークを組み合わせた複雑なネットワークが構築される可能性があります。そのため、ネットワークの高度な総合運用管理と性能の最適化が必要です。
マンパワーだけでは対応しきれないので、将来的にはネットワークの運用自動化と最適化にAI技術の活用が期待されています。
新たな機能と複数のネットワークを組み合わせると、外からの攻撃に対して脆弱な部分が増える可能性を否定できません。
6Gが実現した場合、多くの種類のデータがサイバー空間とフィジカル空間を行き来するようになり、サイバー攻撃の対象が一層拡大化していく予想もあります。
そのため、多様化し複雑化する技術に対して、適切かつ高度なセキュリティの構築が求められています。
6Gは国や民間企業が研究を進めており、今後導入が見込まれています。実現すればまるでSF映画のような世界を体験できる可能性があります。
ただし、6Gが利用可能になるまでには時間がかかるといわれているので、高速通信を利用したい方は現時点での最新技術である5Gを検討すると良いでしょう。
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